CZ最新インタビュー:今こそ最高の起業時代、安定した歯車になることが最も危険な幻想だ
- 核心的見解:CZは独占インタビューでBinanceの発展過程とコンプライアンスの代償を体系的に振り返り、AIエージェントの規模化的爆発には暗号通貨をネイティブ決済の血液とすることが不可欠だと指摘し、若者にAIとブロックチェーンの融合による起業の窓口を掴むよう呼びかけた。
- 重要ポイント:
- Binanceのマッチングエンジンの技術的基盤は、CZが若かりし頃に東京証券取引所向けに注文ルーティングシステムを開発したC++の低層経験に由来する。
- 2017年、Binanceは自主的に600万ドル(国庫準備金の40%に相当)を拠出してユーザーに全額補償し、信頼の基盤を築いた。
- 日本は暗号資産の税率を最高55%から20%に引き下げ、株式と同等に扱う方針であり、国内の流動性が活性化する見込みだ。
- CZは銀行秘密法違反の単一項目により米国で4ヶ月服役し、事件には詐欺も被害者もなく、ユーザー資産に損失はなかったと強調した。
- Giggle Academyは年間約500万ドルを投入し、50人のチームで運営、2年間で学生数がゼロから200万人に増加し、数億人の children をカバーすることを目標としている。
- AIエージェントは従来の銀行口座やクレジットカードを使用できず、暗号通貨がマシンエコノミーの微額決済における唯一の実行可能なソリューションである。
- CZは、AIとブロックチェーンの深い融合により、5年以内に資産と取引の流通速度が千倍から百万倍に向上すると予測している。
整理・翻訳:深潮 TechFlow

深潮まえがき:日本を代表するビジネス・経済メディア PIVOT の世界独占インタビューにて、バイナンス(Binance)創業者である趙長鵬(CZ)が、PIVOT チーフ・グローバル・エディターの竹下隆一郎氏による長時間の深掘り対談に応じた。世界最大の暗号資産取引プラットフォームを率いる象徴的な人物として、CZ はバイナンス初期と日本との深い縁を初めて体系的に振り返り、2023年から2024年にかけてコンプライアンスの嵐を経てCEOを退任し、さらには4か月間の服役を経た後の率直な心の軌跡を語った。そして、彼が全身全霊を注ぐライフワーク――世界の教育格差を解消することを目的とした完全無料プラットフォーム「Giggle Academy」についても全面的に公開した。
今後のテクノロジー動向について語る中で、CZ は断固とした口調でこう指摘した。AI の規模拡大には、ブロックチェーンと Crypto-Native なネイティブ・デジタル通貨に対する絶対的な需要が必ず伴う。将来、数十億の自律協働する AI エージェントは、従来の銀行システムでは微額決済を完結できない。暗号資産こそがマシン経済時代における唯一のネイティブな血液である。世界経済とテクノロジーの転換点に直面する中、彼は若い世代に向けて強いメッセージを発した。従来の終身雇用という凡庸な枠組みを打ち破り、不確実性に正面から向き合い、果敢に起業に踏み出し、この時代に属する無限の機会を受け入れよ、と。
ゲスト:趙長鵬 / CZ(バイナンス Binance 創業者、Giggle Academy 発起人)
ホスト:竹下隆一郎(PIVOT チーフ・グローバル・エディター)
ポッドキャスト配信元:PIVOT 公式チャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=6hmlgUN-42E)
原題:【日本独占インタビュー:バイナンス創業者CZ】“AI×ブロックチェーン”の革命とは?/服役後の億万長者が次に賭けるもの/5年以内に来る変化/日本企業が今すぐ備えるべきこと【PIVOT GLOBAL】
放送日:2026年10月24日
要点まとめ
- バイナンスの基盤マッチングエンジンに受け継がれる日本のDNA:CZ が大学卒業後初めて就いたソフトウェアエンジニアの仕事は、東京で東京証券取引所(TSE)向けの注文ルーティング・マッチングシステムを開発することだった。C++ で低レイヤのメモリ割り当てとポインタを手動管理するという極限のギーク的経験が、多年後にバイナンスが毎秒数百万件の取引を支える高性能アーキテクチャを築く上での絶対的な土台となった。
- 危機対応と国庫の4割を投じた全額補償:2017年、バイナンスチームは国内の規制政策の変更により東京へ拠点を移し、わずか5か月で世界首位に上り詰めた。業界の激変によるユーザーのパニックに直面し、バイナンスは法的責任を負う必要がないにもかかわらず、自ら600万ドル(当時のプラットフォーム総準備金の40%に相当)を拠出して影響を受けたユーザーに全額補償し、揺るぎない信頼の堀を築いた。
- 税制緩和とあらゆる資産のトークン化(RWA)の波:日本は暗号資産の譲渡益税率を最高55%から20%へ引き下げ、従来の株式と同様に扱うことを計画しており、国内市場の流動性を強力に活性化させるだろう。CZ は、主権国家の将来の金融競争はステーブルコインだけでなく、あらゆる資産のトークン化(国債、株式、不動産、さらには国境を越えた水資源などの自然資産を含む)にあり、これがグローバルな資金の高速流通経路を再構築すると指摘した。
- コンプライアンスの代償を坦然と受け止め、退任が逆に人生の贈り物に:単一の銀行秘密法違反により米国で4か月間服役したCZは、この事件に詐欺も被害者も一切存在しなかったと明確に強調した。辛い人生の波乱を経験したものの、CEO退任を運命が与えた解放と捉えている。49歳で精力旺盛かつ膨大な資源を手にする中、取引所の日常業務から完全に解放され、最大の社会福祉を生み出せる新たな分野を自由に選べるようになったのだ。
- ライフワーク Giggle Academy で永続的な無料教育を実現:世界7億人の成人非識字者と5億人の不就学児童、そして従来の学校教育が生徒を同質的な凡庸な人材に仕立て上げる弊害に直面し、CZ は年間500万ドルを投じて50人の研究開発チームを維持し、AIとゲーミフィケーションの仕組みに基づく完全無料の教育アプリを開発している。プラットフォームは2年間でゼロから200万人の儿童に拡大し、将来は数億人の子どもたちに恩恵をもたらすことを目指すとともに、支援を受けた生徒が後に自発的に恩返しすることで100年続く永続的な好循環エコシステムの形成を模索している。
- AIエージェント経済は暗号資産を血液としなければならない:将来、すべての人間ユーザーは自分に代わってタスクを実行する数百から数千の自律型AIエージェントを持つようになる。AIエージェントは従来の銀行で口座を開設したりクレジットカードを使ったりすることはできない。許可不要で秒単位の確認が可能なCryptoだけが、大量かつ高頻度の微額オンデマンド決済を支えられる。AIとブロックチェーンの深い融合により、5年以内に社会全体の資産と取引の流通速度は千倍から百万倍に向上するだろう。
- 若者への突破の忠告:給与所得者の幻想を終わらせ、果敢に起業に身を投じよ:現代は人類の商業史においてスタートアップ設立の障壁が最も低く、支援が最も強力で、成功確率が最も高い黄金の窓口である。CZ は若者に対し、AIとブロックチェーンという新たなツールをいち早く習得し、日本の伝統的な終身雇用という鉄の椀の束縛を打ち破り、挑戦に満ちながらも极高いリターンをもたらす起業家の道を勇敢に受け入れるよう強く勧めている。
二、珠玉の見解
- 「バイナンスの最初の基盤システムは、実は20年前に私が東京で証券取引所のためにC++のコードを書いていた日々に端を発している。技術ツールは進化し続けるが、低レイヤの性能と安定性への極限の追求は決して変わらない。」
- 「2017年に私たちは600万ドルを投じてユーザーに補償した。その資金は当時のバイナンスの国庫準備金全体の40%を占めていた。やらない選択肢もあったが、ユーザーを守ることがバイナンスが業界首位に成長できた核心的な秘密であることに変わりはない。」
- 「将来の主権国家のフィンテック競争において、核心的な分水嶺は二つしかない。一つは取引所とステーブルコインの規制、もう一つはあらゆる資産のトークン化(Tokenization)だ。自国の株式、国債、さらにはインフラをトークン化して世界に売れる者が、グローバル資本の流動性を勝ち取る。」
- 「米国の司法史全体において、これまで銀行秘密法違反という単一のコンプライアンス上の不備だけで投獄された人物は誰一人としていなかった。しかし私は不公正を嘆くことはない。世界は決して平等ではない。過去に沈むよりも、すべての精力と資源を人類にとって真に有益なことに使う方がよい。」
- 「CEOを強制的に退任させられたことは幸運だった。自分から辞任していたら、CZは闘志を失ったと言われただろう。今の私は49歳で年富み力強く、経済的自由を手にし、膨大な資源を持っている。ようやく最大のポジティブなインパクトを生み出せる教育事業に全身全霊を注げるようになった。」
- 「AIエージェントは決して銀行に並んで口座を開設したり、従来のクレジットカードを使ったりしない。何千ものAIエージェントが人間に代わって自動売買、編集、マーケティング、微額決済を行う時、暗号資産は彼らにとって唯一のネイティブな血液となる。」
- 「日本古来の終身雇用と給与所得者文化は時代に淘汰されつつある。私はすべての若者に起業を選ぶよう強く勧める。起業は確かに巨大な不確実性と苦痛に満ちているが、かつてない自由、深いポジティブなインパクト、そして階級を越える豊かなリターンをもたらしてくれる。」
三、本文
1. 東京証券取引所からバイナンスへ:基盤システムの日本との淵源
ホスト:CZ、PIVOT GLOBALにお越しいただき大変光栄です。普段は世界中を頻繁に飛び回っているとのことですが、今日はどこからご参加いただいていますか?
CZ:今はアブダビにいます。実は世界中を飛び回っていて、日本もよく訪れる場所の一つです。東京も北海道も大好きで、冬になればほぼ毎年ニセコにスノーボードをしに行きます。日本は私の私生活においてもキャリアの過程においても、非常に重要な位置を占めています。
ホスト:あなたの新著を読んで、日本の読者が最も驚いたのは、日本があなたの人生の軌跡においてこれほど重要な役割を果たしていたことです。視聴者の皆さんに向けて、日本はあなたの人生においてどのような位置づけにあるとお考えですか?
CZ:日本は確かに私の人生において非常に彩り豊かな一部分です。大学卒業後の最初の正社員としての仕事は日本でした。当時、東京で東京証券取引所(TSE)向けのマッチングソフトウェアを専門に開発する技術会社で働いていました。東京でのあの日々の中で、私は初めて体系的に取引マッチングシステム、注文執行システム、そして大規模取引所の基盤アーキテクチャの設計に触れ、学びました。トータルで数えると、日本には通算6〜7年ほど暮らし働いたことになります。低レイヤ技術に詳しい同業者ならご存じの通り、当時私たちはC++を使っていて、プログラマーがポインタの割り当てとメモリの解放を自ら管理しなければなりませんでした。その極限の性能、ミリ秒単位の遅延、そしてシステムの堅牢性への厳しい訓練が、長年の反復進化を経て、最終的に今日のバイナンス取引システムの原型として結実したのです。
ホスト:つまり、バイナンスという大樹の最初の種は、実はすでに東京で蒔かれていたということですね。そして2017年、日本は再びバイナンスの運命の重要な転換点となりました。当時具体的に何が起きたのでしょうか?
CZ:2017年7月、私たちは上海でバイナンスを立ち上げたばかりでした。わずか6週間後、国内では2017年9月にICO、暗号資産取引所、仮想通貨マイニングが全面的に停止されました。しかし同じ時期に、日本政府は非常に大きな先見性を示しました。2017年4月にはすでに法的にビットコインの合法的な支払い手段としての地位を正式に認め、さらに9月から10月にかけて暗号資産取引所に正式なライセンスを発行し始め、最初に約16社を承認しました。
当時私たちはわずか30人の精鋭チームでしたが、製品リリースからわずか6週間で、すでにプロダクト・マーケット・フィット(PMF)を非常に明確に検証していました。ユーザーが自発的に登録に押し寄せ、取引量とアクティビティは爆発的に増加しました。国内の政策が厳しくなる一方で、日本には極めて合法的で規範的なコンプライアンスの道があり、さらに海外市場が世界の潜在取引量の70〜80%を占めていたことから、私たちは迷わずチーム全体を東京の目黒区に移し、オフィスを借りてすぐに内装工事を始めました。東京で肩を並べて戦ったあの日々は、バイナンスのグローバル展開における最も重要な1ページです。
2. バイナンスが世界一に登り詰める道:危機の瞬間の責任と制度への省察
ホスト:2017年を振り返ると、市場にはすでに多くの成熟した老舗取引所が存在していました。しかしバイナンスは東京目黒区のオフィスから出発し、わずか5か月で世界取引量第1位のプラットフォームに躍り出ました。その伝説的な歩みを振り返って、いったい何がバイナンスをこれほど信じられない速度で全ての競合を打ち負かすことを可能にしたのでしょうか?
CZ:2017年12月17日、設立から5か月足らずで、バイナンスの1日あたりの取引量は正式に世界第1位となりました。表面的にはわずか5か月に見えますが、実際にはそれ以前に、私は金融取引システムの分野で丸17年間着実に深耕してきました。チームはわずか30人でしたが、一人ひとりが業界トップクラスの実力者でした。


