ビットコインの横ばい期間中、どのDeFiトークンが独自の値動きを見せたのか?
- 核心的な見解:ビットコインの横ばい期間中、実際のトークン保有者への配当を備えた主要DeFiトークンは全体的に市場をアウトパフォームし、中央値の上昇率12.9%はビットコインの2倍以上だった。ただし配当の増加は価格形成要因の一つにすぎず、バリュエーションの高低だけでは値動きを単独で予測することはできず、トークンのアンロックとFDVを考慮に入れる必要がある。
- 重要なポイント:
- 配当型DeFiトークン19銘柄を集計したところ、8月22日から10月20日までの間に計14銘柄がビットコインをアウトパフォームし、Raydiumが178%の上昇率で首位、サンプルの中央値上昇率は12.9%だった。
- 配当増加グループの中央値上昇率は18.3%で、配当非増加グループの6.9%を大きく上回り、保有者に実際に分配されるリターンとトークン価格が正の相関関係にあることを示している。
- RaydiumはLaunchLabの接続により買い戻し規模が36万ドルから394万ドルへ増加(11倍);Uniswapは収入のほぼ半分をRobinhood Chainから獲得;Aerodromeは合併後の9月の配当収入が1490万ドルに達した。
- 低バリュエーションは機会とは限らない:AEROのバリュエーション倍率はわずか8.7倍ながら77%の大幅上昇、edgeXはバリュエーション15倍でサンプル中2番目に低い水準ながら、トークン価格は逆に22%下落した。
- Hyperliquidは配当収益が79%増加したがトークン価格はわずか6%上昇にとどまり、FDVバリュエーションは85倍に達し、毎月約8億ドルのHYPEアンロックが7500万ドルの買い戻しを大幅に上回り、売り圧力が上昇幅を抑制した。
- サンプルはわずか19銘柄、期間は59日間であり、結論は絶対的な説得力を持つものではない;バリュエーションを流通時価総額で計算すると、ロックされたトークンによる実際の希薄化圧力を過小評価することになる。
原文作者:The DeFi Edge
原文翻訳:Luffy、Foresight News
ビットコインはすでに2か月間横ばいで推移しているが、多くのDeFiトークンはまったく市場に追随して寝そべってはいない。
8月にビットコインが21%急騰した後、ボックス相場に入った。8月22日以降、ビットコインの終値は毎日75,600~86,600ドルの間を行き来している。この期間、ビットコインの全体の上昇率は5.6%だったのに対し、イーサリアムはむしろ2.7%下落した。
一方、私たちが集計した、トークン保有者に配当を出す19の主要DeFiトークンのうち、14がビットコインを上回った。その中でもRaydiumは178%上昇した。これらのトークン全体の中央値上昇率は12.9%に達し、ビットコインの上昇率の2倍以上に相当する。

なぜ「保有者に分配される実際の収益」に注目するのか?
プロトコルの総収益だけを見ると誤解を招く。一部のプロトコルは多くの利益を上げているが、トークン保有者には一銭も分配せず、最終的にチームが収益を持ち去っている可能性がある。
そこで本記事で集計するのは「保有者に分配される実際の収益」である。トークンの買い戻し・焼却、手数料のバーン、保有者への直接分配による収益を含み、この集計基準はDeFiLlamaに由来する。
対象となるには、トークンが以下の条件を満たす必要がある:
- コアDeFiプロジェクトのみを集計:DEX、永続先物、レンディング、担保付き債務ポジション、リキッドステーキング、イールドツール、イールドアグリゲーター。パブリックチェーン、オラクル、ローンチパッドは対象外(Ponsなどを含む)。
- 8月22日時点で時価総額が1億ドルを超えていること。
- 過去1年間に、トークン保有者への収益分配の実績があること。
スクリーニング条件を満たせばすべて集計に含める。Raydiumのようにローンチパッド事業で稼いだ資金をトークンの買い戻しに充てるケース、Hyperliquidのように手数料を直接バーンするケース、この2種類はいずれも保有者への実際の収益として計上する。
集計期間は8月22日~10月20日で、それ以前の59日間のデータと比較し、価格の出所はCoinGecko、最終的に19のトークンを選出した。

表の「時価総額/保有者年間収益」とは、現在の収益水準に基づき、総時価総額を1年間に保有者へ分配される全収益で割ったものを指す。数値が低いほど、投資家が1単位の配当に対して支払うコストが低いことを意味する。
どのトークンが最も良いパフォーマンスを見せたか?
トークンを2つのグループに分けて比較すると、配当が増加したグループのトークンの中央値上昇率は18.3%、もう一方のグループはわずか6.9%だった。
上位3つのトークンには、いずれも明確な収益成長のロジックがある:
- Raydium:9月5日、トークン化株式発行プラットフォームStonkFunがRaydiumのLaunchLabに接続した。RAYトークンの買い戻し規模は7月の36万ドルから9月には394万ドルへと急増し、11倍になった。
- Uniswap:手数料分配メカニズムはすでに開始されており、さらにRobinhood Chainによる膨大な取引が加わり、9月にはUniswapのプロトコル収益のほぼ半分がこのパブリックチェーンからもたらされた。
- Aerodrome(AERO):AerodromeとVelodromeの合併後、トークン保有者は取引手数料に加え、各プロジェクトが流動性を購入するために支払う費用を受け取れる。9月にはこの部分の収益が1,490万ドルに達し、流動性提供者へ支払われる1,050万ドルをすでに上回った。
逆もまた然りで、edgeXの保有者への実際の収益は15%減少し、トークン価格は22%急落して、サンプルの中で最も悪いパフォーマンスとなった。
バリュエーションが低ければ良い機会なのか?今回のデータは異なる答えを示しており、結果は非常に意外なものだった。AEROのバリュエーション倍率は最低の8.7倍で、トークン価格は77%急騰した。edgeXのバリュエーションは15倍でサンプル中2番目に低いが、相場は最下位だった。バリュエーションの高低だけを見ても、トークンのその後の値動きを予測することはまったくできない。
また、上記の法則に当てはまらないトークンもある。
- Hyperliquid(HYPE):保有者への分配収益は79%急増したが、トークン価格はわずか6%しか上昇しなかった。完全希薄化評価額(FDV)で計算するとバリュエーションは85倍に達する。毎月約8億ドル相当のHYPEがロック解除されて流出するが、毎月の買い戻し額はわずか7,500万ドルであり、市場は巨額の売り圧力を吸収する必要がある。
- Sky(SKY):8月13日のガバナンス投票を経て、各期の収益の55%をトークンの買い戻しに、45%をステーキングユーザーへの分配に充てることになった。保有者収益はほぼ4倍になったが、トークン価格はわずか11%上昇したにとどまった。
- Aave(AAVE):rsETHセキュリティインシデント後、Aaveはトークンの買い戻しを一時停止し、集計期間中にユーザーへ一切の配当を行わなかったが、トークン価格は依然として24%上昇した。
私が考えるに、市場の価格形成は、現在の配当水準だけでなく、将来の収益期待も見ている。配当期待はトークン価格に影響するすべての要素ではない。
もしビットコインが再び横ばい相場に入ったら、DeFiトークンはどう選ぶべきか?
プロジェクトを研究するには、次の3点を同時に見る必要があり、どれ一つ欠かせない:
- プロジェクトが実際に保有者へ分配している収益が、すでに上向いていること。
- 実際の好材料の驅動要因があること:例えば新規事業の開始、手数料分配の開始による取引量の増加、プロトコルの合併といったイベント。
- 必ずトークンのロック解除とFDV(完全希薄化評価額)を確認すること。Hyperliquidは前車の轍であり、大量のトークンがロック解除されて市場に放出されると、トークン価格の上昇を抑え込む。
いくつかの補足説明
- 今回はわずか19トークンのサンプル、集計期間59日であり、結論には絶対的な説得力はない。もう1か月分のデータがあれば、中位トークンの順位はおそらく完全に書き換えられるだろう。
- トークン価格と配当収益は同じ2か月間の区間を集計しており、この方法はあくまで観察指標であり、8月22日時点でこのルールだけで上昇する銘柄を正確に選べることを意味するものではない。
- 文中のバリュエーション倍率は流通時価総額を用いて計算している。多くのプロジェクトには大量のロックされたトークンが存在し、バリュエーションが実際より割安に見える。Hyperliquidは流通時価総額で計算するとバリュエーション19.6倍(流通時価総額181億ドル)、FDVで計算すると85倍(FDV778億ドル)に達する。
- 保有者収益のデータはDeFiLlamaに由来し、データは100%正確とは言えないが、すでに業界内で最も質の高いデータソースである。
- 一部のプロジェクトは配当を一括で実施する。例えばLidoの買い戻しはDAO投票を経て統一的に執行されるため、ある月の収益が低くても、プロジェクトが配当を停止したわけではない。
- Meteoraは2つのグループの上昇率比較に参加していない。このプロジェクトの配当機能は開始されたばかりで、比較できる履歴データがないためである。
- THORChainの保有者収益は手数料によるRUNEトークンのバーンに由来し、9月12日にバーン比率が5%から1%に引き下げられた。そのトークン価格の変動は配当成長のロジックとは無関係である。
- 異常サンプルの補足データ。Hyperliquidはこの59日間に合計1億4,690万ドルを保有者へ分配し、全サンプルの総収益の59%を占めた。チームは毎月約990万枚のHYPEをロック解除している。Skyのバリュエーション倍率は98倍から28.5倍に低下した。


