A9神話から百万負債へ、Memeプレイヤー5年の浮き沈み録
- 核心見解:公務員だった“大根”という人物が、2025年にTRUMPコインのチャンスを掴み資産はA9(数千万円規模)に迫ったが、その後、過去の成功パターンに固執し、Memeコインの継続的な底値拾いや「相場操縦(坐庄)」への関与により百万の負債を抱えた。この事例は、Memeコイン市場の高いリスク特性と、投資家が「大金を得た後に破産する」という典型的なサイクルを明らかにしている。
- 主要要素:
- 大根は2021年、元手3万元でDOGEの先物レバレッジ取引を行い資産を200万円に増やしたが、「519」事件後に全額ロスカットされた。
- 2024年初頭、Solanaチェーン上のMemeコイン(BONK、WIF、POPCATなど)への早期投資により、資産はA8レベルに達した。
- 2025年初頭、TRUMPを0.7ドルで購入し、70ドル付近の高値で利確。この一回の取引で約A9(数千万円)の利益を得た。
- A9への「執念」から、GOAT、VINE、TST、BROCCOLIといったMemeコインを連続して底値で買い増したが、市場の流動性が悪化し、「小さく勝って大きく負ける」状況となった。
- BROCCOLI(714)プロジェクトにおける「相場防衛(護盤)」の失敗で100万ドル以上の損失を出し、これが致命的な一撃となった。
- 2025年下半期には過去の成功パターンに固執し損失が加速。2025年8月から銀行融資を受け始め、最終的に約100万元の負債を抱えた。
オリジナル|Odaily 星球日報(@OdailyChina)
著者|Golem(@web3_golem)

大根は、公務員という安定した社会から高い評価を受ける職に就いている。特に、AI革命が勃発し雇用市場が不安定な今の状況下では、多くの若者が血眼になってこの安定したシステムに入ろうとする。インターネット上では、公務員試験に合格した若者たちを「上陸(上岸)」と表現し、彼らが「苦しい海」から抜け出せたことを示すかのようだ。
しかし、公務員組織もまた城塞のようなもので、外の人は入りたがり、中には出たがる人もいる。大根は、その「城内人」の一人であり、5年前に暗号通貨の世界に足を踏み入れた。
「公務員は何もかも良いのですが、収入が低すぎます。私も早くお金を稼いで引退したいし、若者がこうした規則に縛られ“人生の先が見えた”環境に長くいると、自分に挑戦したくもなります。」大金を稼ぎたい、自分に挑戦したい——これが大根が暗号通貨の世界に入った主な理由だ。しかし、当時の大根は、入った時に掲げた2つの目標を両方とも達成するとは思っていなかっただろう。ただ、その時期が重ならなかっただけだ。
2025年は大根にとって、最も浮き沈みの激しい一年となった。トランプ前大統領による公式ミームコイン(TRUMP)の発行のチャンスを掴み、資産はA9(9桁、約1億円以上)に迫り、暗号通貨界の隠れた富豪になった。しかし、同年に複数のミームコインを“仕組んだ”ことで損失を出し、現在は数百万の負債を抱えている。
大根に一体何が起こったのか、この大起大落は彼の心境にどのような影響を与えたのか。大根の浮き沈みに満ちた暗号通貨体験を理解するため、Odaily星球日報は彼にインタビューを実施した。その記録を以下にまとめるので、読者の参考になれば幸いだ。
潮の満ち引き:DOGEで参入、初期のミームプレイヤー、TRUMPで単一コインでA9目前
Odaily: 暗号通貨の世界に入って最初の大きな儲けはどうやって得たのですか?
大根: では、最初から話しましょう。私は2021年4月末頃に暗号通貨の世界に入りました。当時、DOGEに関する情報が溢れていて、それに惹かれました。2021年の4月から5月にかけて、DOGEは10倍以上も上昇し、史上最高値(0.73ドル)もその時に記録されました。初心者で何も知らなかった私は、3万元をDOGEの先物(無期限契約)に使い、ロングでレバレッジをかけ続け、1ヶ月も経たないうちに200万元以上に増やしました。
Odaily: その時はどのような気持ちでしたか?
大根: ただただ嬉しかったです。一気に「ここは正しい場所だ」と感じました。暗号通貨の世界は本当にチャンスに溢れた場所だと、初めて大金を稼いだ時に思いました。しかし、そのお金は長く私のポケットには留まりませんでした。というのも、その年の「519」(中国当局の規制強化による市場暴落)で、DOGEで稼いだ金をほぼ全額、強制決済されてしまったからです。
Odaily:「519」の後、暗号通貨市場は弱気相場に入りましたが、その後、どの分野でお金を稼ぎましたか?
大根: 私は引退しませんでした。519の後も、ずっと暗号通貨のホットな話題を追いかけていましたが、2021年から2023年にかけては大きな儲けはありませんでした。転機が訪れたのは2024年の初めです。MEXC取引所で、Solanaチェーン上の時価総額の小さいトークンが非常に急激に上昇しているのを目にしました。中には20倍から30倍も上昇するものもあり、当時、中国語圏のプレイヤーはまだこの分野にほとんど参入していませんでした。
そこで、Twitterでトークン情報を探し始めました。当時はGMGNのような便利なツールはなく、Solscanを使って毎日手動でアドレスを追跡し、BONK、WIF、POPCATなどの多くのチャンスを早期に掴みました。これらのミームコインのおかげで、2024年初めには私の資産もA8(8桁)に到達しました。
Odaily: つまり、あなたは中国語圏で最も早い時期にミームコインをプレイしたプレイヤーの一人であり、最も利益を得たのはどのミームコインですか?
大根: 2024年にお金を稼げたので、ミームコインと一次市場に大きな自信を持ちました。気に入ったコインには少なくとも数万ドルを投資しました。市場の好調さもあって、ポジティブなフィードバックを得続けましたが、利益と損失は表裏一体で、この習慣が結局、私の負債につながりました。(詳細は後述)
最も大きな利益をもたらしたミームコインは、2025年初めにトランプ前大統領が発行したTRUMPです。これが私がA9に最も近づいた時でもあります。TRUMPを非常に早期に購入しました。価格は約0.7ドルでした。きっかけは、チェーン上で0xsunというアドレスが約0.6ドルで約200万ドル相当のTRUMPを購入しているのを監視で発見し、さらに公式サイトに正規の購入・支払いチャネルがあることを調査し、詐欺である可能性は低いと判断し、10万ドルを購入しました。
最終的にTRUMPの価格は70ドル以上の高値まで上昇しましたが、その過程で徐々に現金化して利益を確定しました。
潮の引き:ミームの底値買いを続け損失、BSCチェーンを拒否、数百万の負債
Odaily: TRUMPでこれほどの結果を出したのに、なぜ引退しなかったのですか?
大根: A9への執着がありました。あと一歩のところでした。簡単に達成できると思っていましたが、実際には非常に曲折した道のりになりました。TRUMP以降、市場の流動性が徐々に悪化していることに全く気づいていませんでした。結局、その執念のために、過去に稼いだお金のほとんどを失ってしまいました。
Odaily: 具体的に、どのようにして損失を出したのか教えてください。
大根: 当時、私はミームの2段階目の底値買いを好んでいました。しかし実際には、TRUMP以降のほとんどのミームは一波で終わってしまいました。資金と注目がこれほど急速に逃げ出すとは全く思っていませんでした。ミームコインは一度下落し始めると、本当に底が見えません。それに加えて、私自身の投資額が大きかったため、多額の損失を出しました。
例えばGOATでは、価格が0.3ドルまで下落した時に約90万ドルを底値買いし、約1%の供給量を保有しました。高値からは90%下落していましたが、その後さらに90%下落するとは思いませんでした。同様の損失は、VINE、TST、BROCCOLI(714)などでも経験しました。
Odaily: このような大きな損失を経験した後、戦略を調整しなかったのですか?
大根:これが「経路依存性(パス・ディペンデンス)」の問題です。過去にこの方法でずっと儲けてきたため、この方法は永遠に通用すると思い込み、市場環境や流動性の変化を見過ごしてしまいました。
大量のコインを保有した後は、コミュニティ構築にも参加しました。例えば、BROCCOLI(714)では、パリ兄さんなどと小さなグループを作り、714が他の同名ミームコイン2つよりも先にバイナンス現物取引所に上場するよう、一緒に働きかけました。(Odaily注:BROCCOLIはCZのペット犬の名前ですが、当時市場には同名のミームコインが3つ存在し、最終的にバイナンスはコミュニティ投票による上場方法を採用しました)
Odaily: BROCCOLI(714)を促進するために、当時どのようなことをしましたか?
大根:私たちの小さなグループの一人が、直接CZのアドレスに1%のトークンを送りました。当時の時価総額1億ドルで計算すると、約100万ドルの価値だったでしょう。さらに、バイナンスが当時取引コンテストを開催していたため、私たちは組織的・呼びかけて取引量を増やし、普段のツイートや価格吊り上げなども行いました。地元でのプロモーション(地推)も考えましたが、中国国内の規制環境を考慮して実行には至りませんでした。
しかし、実際にはこのコインは私たちの小さなグループが“操縦”していたわけではありません。結局のところ、私たちは多くのコインを持っている大口保有者に過ぎず、全ては自分のポジションを強化するためであり、最終的な結果を左右できるものではありませんでした。BROCCOLI(714)は最終的にバイナンス現物に上場しましたが、価格は同様に90%下落し、私は100万ドル以上の損失を被りました。
Odaily: この挫折は、その後のあなたにどのような影響を与えましたか?
大根: BROCCOLI(714)は、経済的にも投資戦略的にも、私にとって最後の藁となりました。以前からコミュニティでは、「良いプロジェクトは人が建設する必要はない。建設が必要なプロジェクトは、人を騙して参加させ、ポジションを引き継がせるためのものだ」という言葉がありましたが、BROCCOLI(714)はまさにその結果を証明しました。これにより、BSCチェーンと中国系のプロジェクト(国人盤)に対して嫌悪感と失望感を抱くようになり、それ以降、BSCチェーンのミームを一切プレイしなくなりました。
Odaily: BROCCOLI(714)は2025年前半にBSCで話題になったミームでした。その後もBSCチェーンでは、例えば下半期の「バイナンス人生(币安人生)」など、複数回のミームブームが起こりましたが、もう注目しなくなったのですか?
大根: BROCCOLI(714)以降、BSCチェーンをほぼブロックリストに入れてしまいました。今振り返ると、2025年のBSCチェーン全体の強気相場を逃してしまいました。しかし、これも自分の認識の代償を払ったということです。今年の初めになってようやくBSCチェーンのミームを再開しました。どんなチェーンやプロジェクトにも偏見を持ってはいけないと、ようやく理解できたからです。
Odaily: つまり、正確に言うと、2025年は年初にTRUMPでA9目前まで稼いだものの、その後は一年中、徐々に損失を出し続けたということですか?
大根: 小さな儲けと大きな損失が続きました。特にBROCCOLI(714)の後は、他のチェーンでのPVP(プレイヤー vs プレイヤー)取引で、数ヶ月のうちにこれまで稼いだお金を全てすり減らしてしまいました。一つには、後ろ盾が少なくなり、多くの試行錯誤ができなくなったこと。もう一つには、痛い目を見るのに恐怖を感じ、臆病になり、いわゆる「ペーパーハンド(弱気な手)」になってしまい、以前のような精神的な安定を失ってしまったことです。
昨年の8月頃から、場内の資金だけでは足りなくなり、銀行から借り入れを始めました。
Odaily: つまり、現在は負債を抱えている状態なのですか?
大根:約100万元(約2000万円)の負債を抱えています。当時、損を取り戻したいという願望が強すぎて、冷静さを失っていたのです。
Odaily: 別の分野に切り替えることは考えなかったのですか?例えば、アルトコイン、予測市場、RWA(現実資産)、あるいは米国株など。それとも、一貫してミームに専念しているのですか?
大根: アルトコインは考えませんでした。米国株は考えましたが、昨年は現在ほど米国株取引が便利ではありませんでした。現在では、DEX(分散型取引所)や取引所が暗号通貨ユーザー向けに低ハードルの米国株取引チャネルを提供していますが、当時はありませんでした。また、従来の証券会社で米国株を取引するには資産制限があり、私にとっては難しかったため、その考えは放棄しました。
結局、暗号通貨の世界は少ない資金で大きく稼ぐ(レバレッジ)のに最適な場所であり、これが自分の得意なことでもあると考えています。転んだ場所から起き上がるつもりで、今もミームの分野でプレイし続けています。
Odaily: 2025年初めに暗号通貨でA9目前まで稼いだ時、現金化して貯蓄したり、不動産を購入したりすることを考えなかったのですか?
大根: 一部は現金化しましたが、後に損を取り戻そうとして、再び入金してしまいました。当時、お金を稼いだ後も、車や家を買うような消費はしませんでした。もともと車も家もあり、私の職業上、高級車や豪邸への必要性もありませんでした。
Odaily: 負債を抱えた後、生活面での格差は大きいですか?家族関係に影響はありますか?
大根: 生活面では、消費レベルが急落しました。今は毎月、銀行に多額の返済をしなければならず、もうすぐ返済が難しくなりそうです。そのため、家庭にも多少の影響が出ています。まだ車や家を売る段階ではありませんが、最終的に行き詰まれば、売ることもあるかもしれません。
Odaily: では、この5年間を振り返って、どのような感想をお持ちですか?あなたは安定した「鉄の飯椀(安定した職業)」を持っていましたが、この5年間は浮き沈みが激しく、今では負債を抱えています。
大根: 私はこの市場に数多くいる無数の人々の縮図に過ぎないのかもしれません。以前から、この世界で最も多いのは、一夜にして大金を手にし、また破産する人々だと聞いていましたが、自分もその状況に陥るとは思っていませんでした。


