ETHGlobal ブエノスアイレスハッカソンの受賞プロジェクト10選

原作者: ETHGlobal

原文翻訳：Felix、PANews

ETHGlobalブエノスアイレスハッカソンは11月23日に終了しました。このハッカソンには、イーサリアムエコシステムのトップクラスの才能と専門家が集結し、多数の開発チームがブロックチェーン技術の新たな応用を模索しました。賞金総額は50万ドルでした。

審査の結果、475件の応募の中から、NFT、DeFi、予測市場などの分野を網羅する10件のプロジェクトが選出されました。PANewsでは、これらの10件のプロジェクトの概要をご紹介します。

ペイボット

Paybotは、物理デバイスへのアクセスを制御するためのブロックチェーンベースのマイクロペイメントプロトコルであるX402 Payment Requiredプロトコルを披露しました。Coinbase開発者プラットフォームハッカソン向けに特別に開発されたこのシステムは、ガスフリーのトランザクションを実証し、ユーザーはガス料金のためにETHを保有することなく、QUSDステーブルコインを使ってレンタルボットの料金を支払うことができます。

このシステムは、完全な決済サービスアーキテクチャを実装しています。ユーザーはウォレット内でQUSDの決済承認に署名し、サービスプロバイダーはオンチェーンでトランザクションを送信し、ガス料金を支払います。このプロジェクトにより、IoTやロボティクスアプリケーションにおいて、高額なガス料金が負担となるようなアプリケーションでも、真のマイクロペイメントが可能になります。

このプロジェクトは @sprpstsn によって構築されました。

時差ボケ

JetLaggedは、CeloとOasisを基盤とする分散型予測市場プラットフォームで、ユーザーはフライトの遅延や欠航を予測できます。このプラットフォームはNext.js、Bun.js、Solidityを使用して構築され、Celoブロックチェーン上にデプロイされています。

• リアルタイムフライトマーケット: リアルタイムのオッズを使用して実際のフライトを予測します。
• リアルタイム価格設定：AMM 価格設定メカニズムに基づいて、市場の需要に応じて自動的に更新されます。
• 分散型解決: フライトステータスは、Oasis バックエンド オラクルを通じて自動的に検証されます。
• Farcaster の統合: Farcaster Frame ミニプログラムをサポートします。
• Celo ブロックチェーン: Celo ネットワーク上で高速かつ低コストのトランザクションを実行します。

このプロジェクトは、Faezeh、TheMonkeyCoder、zkfriendly.eth によって構築されました。

ハッブル・トレーディング・アリーナ

Hubble Trading Arenaは、完全にオープンソースの自律型取引環境です。オンチェーンエージェントはx402およびERC-8004プロトコルを介して雇用、支払い、調整され、リアルタイム推論とライブ取引を実行します。これは、数千人のプロの金融エージェントが人間の介入なしに連携するために必要な、完全なオンチェーンコラボレーションループを実証しています。

このプロジェクトはAmy@MeetHubbleによって構築されました。

ペイロード交換

Payload Exchangeを利用することで、加盟店はx402エージェントを使用してあらゆる決済方法に対応できます。送信者はトークンを選択し、受信者はシームレスに安定した資産を取得できます。

Payload Exchangeは、x402決済リクエストを傍受し、第三者であるスポンサーを導入するプロキシレイヤーです。これにより、エンドユーザーの決済体験が拡張され、ユーザーはステーブルコインやその他の通貨以外の決済方法を選択できるようになります。スポンサーは、ユーザーのアクションやデータと引き換えに、金額の一部または全額を支払います。

三者協力モデルはすべての参加者に利益をもたらします。

• スポンサー: コンテンツへのアクセス料金を支払うことで、ユーザーを獲得したり、データを収集したり、特定の行動を誘導したりします。
• コンテンツプロバイダー：参入障壁を下げる。ペイウォールを設けることなくコンテンツの収益化を実現できます。
• ユーザー: お金ではなく操作/データを取引することで、プレミアム コンテンツ/ツールを無料で、または割引価格で入手できます。

このプロジェクトは、qap、luis、Marcelo、Soko によって構築されました。

ヨガ

Yogaプロジェクトは、非代替性（NF）ポジションマネージャーを実装しており、LP（リテールパートナー）は単一のNFT内で複雑な複数価格帯のポジションを管理できます。従来のポジションマネージャーでは各NFTが1つの価格帯のみを表しますが、Yogaは単一のERC721トークンで複数のサブポジション（異なる価格帯）を管理できるため、価格帯をまたいだ複雑な流動性配分戦略が可能になります。

この契約では、LP が適用する変更 (流動性の増加) を簡単に指定できるシンプルなアプリケーション バイナリ インターフェイス (ABI) が提供され、契約では基礎となる UniV4 ポジションを変更する方法が自動的に計算されます。

このプロジェクトは、チャーリー・マック、ダンカン・タウンゼント、ルイージ、マイケル・フォッチによって構築されました。

LensMint Web3カメラ

LensMint Web3 カメラは、撮影中に写真に署名し、ゼロ知識証明を使用してオンチェーン NFT を生成することで、改ざん防止と認証済みのメモリを実現できるハードウェア ベースのシステムです。

LensMintは、現実世界の写真の真正性と所有権を保証するために設計された、ハードウェアからブロックチェーンまでをカバーする完全なカメラシステムです。Raspberry Piカメラをベースにしたこのシステムは、ハードウェアレベルの暗号化IDを採用しています。各写真は撮影時に署名とハッシュ化が行われ、vlayerによって生成されたゼロ知識証明を用いて真正性が検証され、RISC Zeroを介したオンチェーン検証も行われます。システムはすべてのメディアをFilecoinにアップロードして永続的な分散型ストレージとし、認証された記憶を表すERC-1155 NFTを生成します。内蔵のQRコードシステムにより、写真に写っている人物はNFTを即座に取得でき、存在証明、認証された記憶、そして自動収益分配が可能になります。

LensMint は、デバイスの起源、タイムスタンプ、写真の整合性を証明するための信頼性のない方法を提供し、クリエイター、ジャーナリスト、イベント主催者、科学文献の真正性、出所、収益化の問題を解決します。

このプロジェクトはMohit Bhatによって構築されました。

ハロー

HaloはWorldChain上に構築されたミニプログラムで、実際のショッピングレシートを認証済みユーザー向けのオンチェーン報酬に変換します。ユーザーが任意の店舗のレシートをスキャンすると、Haloが軽量な処理フローでレシートを評価し、WorldIDで認証されたユーザーに報酬を分配します。このプロセス全体を通して、ユーザーの個人情報は非公開のままです。

ショッピングレシートには現実世界の経済活動に関する重要な情報が含まれていますが、これらの情報はしばしば紛失したり、閉鎖されたシステム内に閉じ込められたりしています。Haloはこれらの情報を取得し、各レシートを処理して、加盟店、タイムスタンプ、合計金額、通貨、カテゴリなどの詳細情報を抽出します。報酬は特定のユーザーのみが請求できるため、オフラインでの行動とオンチェーン上の報酬を結び付ける、シビルセーフかつプライバシー保護に優れたメカニズムが実現します。

このプロジェクトは、hellocrypto と @DNC_Labs によって構築されました。

zkx402 (リーク証明)

zkx402 は、変動支払いと検証可能なコンテンツを検証するためのゼロ知識証明を統合した x402 プロトコルの拡張機能です。

消費者（人間またはAIエージェント）には異なる価格帯が提供され、ゼロ知識認証情報を使用して本人確認ができるユーザーには割引が適用されます。プロデューサーはゼロ知識証明を添付することで、コンテンツの出所を証明できます。例えば、特定のジャーナリストによる著者認証、人間による作成の証明、GPS/センサー情報を含むIoTデータなどが挙げられます。

内部告発者は身元を明かすことなく報酬を受け取ることができます。ジャーナリストは、自分が人間であるか、信頼できるメディア組織に所属していることを証明することで、より低コストでアクセスを取得できます。ジャーナリストが制御するAIプロキシは、Base上のx402を介して自律的に支払いを行い、個人情報や機密性の高いデータにアクセスします。

このプロジェクトは、Guilherme、Lam、Ra's Al Ghul、Mark Ballew、および Vaughn によって構築されました。

アクア0

Aqua0 は、Aqua AMM と LayerZero メッセージングを使用してシームレスな資産転送を可能にする、クロスチェーン共有流動性ミニプログラムです。

Aquaは、現在のAMMに存在する非効率性に対処するために1inchが開発した共有流動性レイヤーです。これらの非効率性には、1) AMM流動性の90%が一度も使用されず、流動性の停滞につながること、2) AMMが異なるプロトコルやチェーン上の異なるLP間で遊休状態や未使用の流動性を抱えることになり、流動性の断片化につながることなどが挙げられます。

Aqua0は、クロスチェーン機能によってAquaを改良します。Aquaの現在の制限は、台帳レイヤーであるため、一度に1つのチェーンでしか使用できないことです。Aqua0は、Layer ZeroのクロスチェーンコンポーネントとAquaの共有流動性契約を活用し、クロスチェーンAMM市場を構築することで、LPが新たな利回り機会を創出し、資本効率を向上させます。

このプロジェクトは、Yudhishthra Sugumaran、Andrei De Stefani、@tomasmazzi によって構築されました。

BMCP

BMCP（ビットコインマルチチェーンプロトコル）は、真のクロスチェーンプログラマビリティを通じてビットコインチェーンとEVMチェーンを接続します。ユーザーはネイティブSchnorr署名（Taproot/BIP340）を使用してビットコイントランザクションに署名し、EVMトランザクション（DeFiスワップ、トークン転送、コントラクトコール）をトリガーできます。

クロスチェーンリレーエンジン（CRE）はビットコインブロックをスキャンし、OP_RETURNに埋め込まれた有効なSchnorr認証済みのBMCPメッセージを検出すると、PolygonやEthereumなどのチェーン上で、Chainlink CCIPをシームレスに活用しながら、安全なオフチェーン（リスク管理、検証）およびオンチェーン（コントラクト呼び出し）呼び出しを実行します。BMCPは、すべてのプロセスが信頼を最小限に抑えられ、ビットコインのファイナリティに暗号的に固定され、異なるエコシステム間で統合できることを保証します。

このプロジェクトは、Vibhav Sharma、Vollantre、James Scaur、Manuel によって構築されました。